【保護者・教師として】特別養子縁組や不妊治療について

読書

コロナで面会ができなかった娘がついに帰宅しました。出産から5日後の出会いでしたが、「この子を20年間を支えていくのが親の仕事だ。」と決意した次第です。そんな記念すべき日に読んでいた小説が『朝が来る』/辻村深月でした。

テーマは
特別養子縁組不妊治療

事前に知っていたら、そんなに進んで読んでいなかったとおもいます。
なぜなら、自分自身も授かりにくく、昔はよくネットで調べたものです。様々なサイトが乱立していて情報過多となった記憶があります。自分が経験したこともいくつかお話の中で出てくるので自分事のように感じながら読めました。

今回、「朝が来る」を読んだおかげで、教師として性教育の重要性を振り返るきっかけとなりました。また、自分がもしこのような背景の児童を受けもつことになったらということも考えました。他の先生方・保護者の方にもこれから生きていく上で知っていただきいお話だったので、辻村深月さんが書かれた『朝が来る』について簡単要約します。

平穏と不穏

「子どもを、返してほしいんです。」

という、強烈なメッセージが自分の中に残ります。1章では40代の夫婦と若い女性の出会いが描かれます。夫婦には、特別養子縁組で授かった長男がいました。そんな夫婦のもとに、自分が長男の母親だと名乗る女性が現れて、ストーリーは展開していきます。

序盤から自分が生きている世界とは違いすぎる設定なのですが、子をもつ親として、突然、自分の子供が離れていってしまうのではないかなので想像するだけで苦しくなります。

長いトンネル

2章では、40代夫婦の不妊治療に焦点が当てられます。仕事を理由になかなか妊娠に向き合えない夫婦、両親との葛藤など自分事のように読み進めました。私もなかなか授からなかったので、クリニックに言って相談したり、検査もしました。その当時の記憶も思い出されます。誰が悪いわけでもないのに、変にプレッシャーを感じました。

お話の中では、肉体的・精神的な治療の苦しさ、そして特別養子縁組に向けて歩んでいく様子がリアルに描かれています。作中で養子縁組を支援している団体の方が語られている言葉が…胸を突きます。

普通の子は、普通の家にいるんです。うちの団体を頼ってくるということは、何か事情があるということです。養親になる際には、実親さんの妊娠経過や家庭環境にどんな事情があっても問わない、という覚悟をしていただくよう、お願いしています。」

確かにその通りですね。当たり前のことかもしれませんが、日本では、このような背景もあってあまり広まっていないのかもしれません。ポジティブなイメージをもてない人もいるのも事実ですね。作中の夫婦も両親の説得や周囲の意見を受け止めながら、覚悟を決めて特別養子縁組をすすめていく様子が描かれていました。子を育てていくという責任の重さもこの章で振り返ることができました。

発表会の帰り道

3章では、子を手放さなければならなかった者の人生が描かれています。

本作では、中学生での出産が描かれています。家庭環境や教育環境で個人差はあると思うのですが、日本中、どこで起きてもおかしくないような展開でした。出産する中学生の家庭もどこにでもある過程で母親は教師として描かれていました。

望まれない妊娠、育てていくことのできない環境が現実としてあり、出産を機に中学生の人生が転落していく様子が描かれています。特別養子縁組で子供は2章の夫婦に引き継がれました。しかし、女子中学生は人生は、当たり前の生活に当たり前に戻ることはなかったようです。

最後の章で、「子供を返してほしい」と迫る背景がリアルに描かれています。とても深い闇が女の子を追い込んでいく様子に胸が押しつぶされそうになりました。

朝が来る

最後の章で、子を産めなかった夫婦と子を手放さなければならなかった女性との話が語られていきます。

これからどうなっていくのかは読者が想像することになるのですが、私は、どちらにも明るい朝が来てほしいと願いました。

壮絶な女性の人生も踏まえて、皆で前を見て生活を進めてほしいと願っています。

毎日、必ず朝が来ます。その日、一日一日を家族とともに生活できることに感謝したいと思います。本当に当たり前の生活ができることに感謝です。

皆様にとっても、今日が充実した日となりますようにm(_ _)m

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