【宿題の意味】「タブレットドリル vs 紙のドリル」から考える

仕事

教師も保護者も自分から取り組んでほしいと願っている宿題。私自身は子供のころから「なんで宿題せなあかんの?」と思っていました。教師となった今も、周りの教師が宿題について熱く語っているのを見てしまうとちょっと冷めた目で見てしまいます。

昨日、GIGA構想で導入された電子ドリルと、従来式の紙ドリルのどちらを重視するかで職員間でも議論されたことが印象的でしたので、改めて宿題の意義と今後の理想の宿題像を自分なりにまとめてみました。日々、宿題を出している教師や、宿題を見守る保護者の方にとって役立つ記事となれば幸いです。

個人的な主張としては、「画一的な宿題はなくしたほうが良い」というのが個人の主張です。宿題の意味を考えながら、自分の理想をつづります。

理想の宿題

宿題の理想的な状態は、「子供自らが自分にとって大切な学習を自分の意志で進めていくこと」だと考えます。だから、私の学級では宿題の内容は自分で選択できるようにしています。埼玉県の井垣尚人先生の実践を参考にした【自主学習】を設定しています。

私が出している宿題は、①漢字と②算数と③日記など…を毎日するだけです。しかし、漢字の場所も算数の場所も指定はほとんどしません。子供たちもテストなどに向けて必要な部分を慣れれば勉強してきます。また、③の日記など…という点がポイントです。日記以外にも自分が興味をもったことについて毎日時間を費やすように指導しています。例えば…

自主学習の例

日記、友達のよいところ紹介、係の仕事準備、本の紹介、都道府県調べ、歴史人物調べ、オリジナル図鑑づくり、ことわざ調べ、筋トレ日記、リフティング挑戦記録、イラスト練習…

本当に子供によって様々ですが、見ている私も同じドリルを丸付けしたり、漢字をチェックするよりかは、ワクワクしてみることができています。

こんなことは、低学年などでは難しい…という意見もありそうですが…1年生を担当した時もできていたので大丈夫です。自分のペースでできる仕組みを整えてしまえばほとんどの子供はできるようになります。

学校ごとに宿題の量や内容も統一されてい学校も多いと思いますので賛否両論あると思うのですが、個人としては、これから学校全体に取り入れていきたいと密かに燃えています。

宿題のメリット

職員室で議論されていた宿題の意味は以下の2つでした。他にも、継続力や主体性など色々な要素はあると思いますが、主要な要素は以下の2つです。

宿題のメリット

①学習習慣の育成

②学習時間の確保

①学習習慣の育成は確かに大事だと思います。大人になってからも学び続ける人になってほしいという願いはあります。しかし、現状の宿題でそれが身につくのかは疑問をもっています。

大人になって、誰かに指示をされて継続的に学習できる人って、なかなかいないですよね。

やはり必要性が出る中で自分で意欲的に学習していけるようになるものです。子供のうちから、決められたことを決められたようにするだけでは、これからの社会を生きていくには少し厳しいようにも感じます。

②については、個人的には放課後は好きなことに時間を費やしてほしいと願っています。だから宿題がなくなればいいのに…そもそも、学校で必要なことをすべて指導できれば宿題なんてしなくてよいはずです。そして、日本の授業時間を考えれば十分に子供たちは勉強しています。

こんなに教師も子供もへとへとになるまで勉強して、さらに自宅で残業のように宿題をさせるのはちょっと勉強しすぎではないだろうか…と感じています。

宿題のデメリット

宿題のデメリットを書き出すと個人的な感情が溢れてきすぎるので、抑えて書くと以下の2つです。

宿題のデメリット

1.教師も子供も楽しくない

2.チェックがしんどい

やらされている強制的なものに楽しさなんてありません。教師も「周りの教室で出しているから…」「昔からやっているから…」という理由で宿題を出している人もいるでしょう。

また、チェックする立場としても「宿題やった~?」って聞く環境すら嫌気がさしてきます。結局、宿題をきちんとやってくる子は、学力がもともとあるので宿題なんて必要ないです。

余計な指導が必要になってくる子は、勉強がしんどい子がほとんどです。授業ではカバーできている子供たちですが、あえて宿題を課して指導が必要な環境に追い込むこと…ちょっと矛盾している気さえしてきます。もちろん指導方針は教師によって異なってくると思うのですが、全体指示で出されたものができていなければ指導をしないといけないと私は思います。こっそりと個別でも、できないことを指導されると人はつらいものです。ですので、自分で選べる自主学習を推進しています。

デジタル vs 紙

ここまでまとめてくると、職員室で話し合っていたテーマは、あまり意味のないものになってしまいました。紙を推奨する教師がデジタルに対応できず、紙プリントを印刷することにとても時間がかかっているというのが現状のようです。

デジタルドリルの場合、答えしか書き込めないので、課程を確認することが難しいとも話されていました。実際に、保護者の方々もきちんとできているのか確認できないから不安視されてい方がいます。

算数において、思考の課程を確認することはとても大切です。そこを確認できるデジタルドリルが開発されるのを待ちつつ、紙のノートに思考の課程や筆算を表記するようにルール化していくことになりそうです。

所属する自治体の方針としてはこれからも全力でデジタルに舵を切っていく予定のようですのでいつかは紙がなくなっていきますが、今は過渡期ということでデジタルと紙の二刀流で子供たちの学びが保証されていけば個人的には満足です。

だらだらと長文になってしまいましたが、要は宿題についても環境整備をして、自分で学べる場を保証することが教師の仕事だと感じました。その為には、まずは職員研修だ…準備がんばろう。

皆様にとっても、今日が充実した日となりますようにm(_ _)m

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